※本記事は実体験をもとにした記録であり、誰かを傷つける意図や過度な表現を目的としたものではありません。
警察に連絡するまでのやり取り
母が家を出てしまって、父はなかなか警察に電話をしようとしなかった。
「もう少し待とう」「そのうち帰ってくるかもしれへん」
そんな言葉を何度も聞いた。
でも、私はどうしても待てなかった。
これはもう、家族だけで抱える問題ちゃう。
そう思って、強く言って、やっと父は警察に電話をした。
電話を切ってからの時間は、
時計ばかり見てしまって、何も手につかんかった。
「無事に保護できました」と聞いた瞬間
警察に電話をしてから、しばらくして父から連絡があった。
「今から警察が来てくれるみたいやから、また何かあったら連絡する」
さらに10分ほど経って、また電話が鳴った。
「警察の人が来てくれて、電話代わってほしい言うてるけど、代わってええ?」
電話に出ると、警察の方がこう言った。

僕たちが到着した時、お母さんは家の下の階段のところに座っていました。
無事、無傷で保護できましたので、安心してください。
その言葉を聞いた瞬間、
私は声も出えへんくらい号泣していた。
電話越しに聞いた、母の言葉
「お母さんに代わられますか?」
そう言われて、電話を代わってもらった。
電話の向こうで、母も泣き出していた。
「しんどかったな、辛かったな」
そう声をかけると、母はこう言った。

かぁがアホやから……
もう自転車ごと海に入って死にたかってん
母が、自分が認知症であることに
どれだけ引け目を感じて生きてきたのか。
その一言で、全部伝わってきた気がした。
一緒に暮らすという選択肢が浮かんだ夜
父は、優しいところもある。
でも、「アホ」だの平気で口にする人で、
周りから見たらモラハラ気質と言われてもおかしくないと思う。
だから私は、とっさに母に言っていた。
「もう、父と別れて、私のところに引っ越してきて
一緒に住む?」
すると母は、
「美穂たちに迷惑かかるから」
と、最後まで私たちのことを心配した。
「そんなん気にせんでええやん。
今まで頑張ってきたんやし、
もう残りの人生くらい、自分のしたいように生きてもええやん。
これからどうやったら、楽しく幸せに暮らせるかだけ考えたら?」
そう言うと、母は少し間を置いてから、
「うん……美穂と一緒に暮らした方が楽しいと思う」
と答えた。
その言葉を聞いて、
私は母を引き取ろうと心の中で決めた。
警察による事情確認と、その後の対応
電話を切ったあと、
警察は父と母それぞれから、別々に事情を聞いたらしい。
DVがないかどうかを、
かなり入念に確認していたようだった。
しばらくして、警察からまた電話があった。
「お母さんも、今日はもう出て行かない、
布団で寝ると言っています。
僕たちも帰りますが、大丈夫そうですか。
DVなどはないと、両方から確認は取れていますし、
信じたいと思っています」
私は、DVは絶対にないと思えたし、
警察の方に感謝の言葉を伝えて、帰ってもらった。
あの夜のあと、今どうなっているか
その後、私もそのまま眠った。
昼頃になって、
「母をこちらに引っ越させる段取りを取らなあかん」
そう思って、母に連絡しようとしていた。
でも、結果的に言うと、
今、母と父は仲直りして、再び一緒に暮らしている。
私は母を引き取ってはいない。
それでも、あの夜に
母が「一緒に暮らした方が楽しい」と言ったこと。
私が本気で引き取ろうと考えたこと。
それらは全部、
なかったことにはできない、大事な出来事やと思っている。
この出来事を含め、母の変化に気づいてからの経緯は、
以下の記事にまとめています。



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